青春シーラカンスー斎藤祐樹くん、ありがとう
夏の高校野球が終わった。みごと初優勝を果たした早稲田実業の投手、斉藤佑樹くんの爽やかさが話題を呼び、社会現象となった。
喜怒哀楽の心模様をそのまま表情にださない、その控えめな話し振り、素直で素朴な言動。真夏の甲子園の七試合、ほとんど一人で投げぬき、これが948球目となる最後のストレートに球速144キロを出す。そんな豪腕さを少しも感じさせない。質問にも一生懸命に考えて答える姿がたまらなく可愛い。またマウンドで汗をふくしぐさからハンカチの王子とも称され一度に全国的な人気者になった。
それにしても殺伐としたこの時代にこんな素晴らしい青年がよくいたものである。一昔前には彼のような球児も見られたが、どこにこんな青年が存在し得たのか、信じられないような出現である。
彼のことを「青春シーラカンス」と呼んだ評論家がいたが、少し大げさだが、そのくらいの驚きを投げかけた。
まだこの頃の若者も捨てたものてはない、多くの人たちもそう思ったにちがいない。
アパートに一緒に住み、食事を作り世話を続けたという兄も高校時代に野球をやっていたというが、弟に負けないくらい好青年である。資質というものもあるだろうが、やはり家庭環境に恵まれていたのだろう。祐樹くんの母親がテレビにでていたが、優しく賢そうな美しい女性だった。アルプスで、優勝が決まり、長男(祐樹くんの兄)と握手しながら喜んでいた父親も好印象だった。
青少年の陰惨な事件が頻発する昨今、家庭環境の大切さを浮き彫りにしてくれた斎藤祐樹くんの出現だった。
ありがとう、斎藤祐樹くん。そして、ご家族のみなさん。
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